資産運用

長期積立投資で本当に必要なスキルは?

2008年からコツコツ積み立てた人は、どうなったか?

もしあなたが2008年1月から、毎月1万円を外国株式ファンドに積み立てていたとします。
そのまま現在まで続けていた場合、

  • 積立総額:214万円
  • 評価額:約993万円

およそ4.6倍になっている計算です。

この間に起こったことを思い出してみてください。

  • リーマンショック
  • 欧州債務危機
  • コロナショック
  • インフレ懸念
  • 関税ショック …などなど

ニュースだけを追っていると、「今は危ないから一度売った方がいいのでは?」と思ってしまうような出来事ばかりでした。

しかし、この成果を手にした人が実際にやったことはとてもシンプルです。

「広く分散された外国株式ファンドに、ただ淡々と積み立て続けただけ」

個別株を売り買いしたり、景気指標を細かくチェックしたり、為替の動きを予測したりはしていません。


短期投資と長期投資で「必要な能力」はまったく違う

短期投資で成果を出すには、

  • 景気や金利、為替
  • 各国の政治・経済ニュース
  • 個別企業の決算や業績見通し

こうした多くの要因を読み解き、「値動きを当てる力」が求められます。

一方、長期投資で大切なのは、まったく逆の姿勢です。

「企業が生み出した利益が、時間をかけて株価に反映されるのを待つ」

このスタンスに立つと、日々のニュースや短期的な値動きを追いかける必要はほとんどありません。
必要なのは、“相場に居続ける勇気と我慢強さ”です。


実際の投資家はどれくらい我慢できている?

しかし現実には、多くの人が短期売買を繰り返しています。

下のグラフは、金融庁のデータをもとに「金融機関の種類別・投資信託の平均保有期間」を示したものです(令和4年6月30日時点)。

  • 主要行や大手証券会社などの 対面チャネル
    • 平均保有期間:約3〜4.5年
    • ここ数年で少しずつ長期化しているものの、企業価値が株価に十分反映されるまでには、まだやや物足りない水準です。
  • ネット証券
    • 平均保有期間:約2.5年
    • ランキングやネット上のおすすめ情報に振り回され、短期で乗り換えをしている様子がうかがえます。

せっかく長期のうねりを取れる商品を選んでも、2〜3年で売ってしまっては、
企業の成長がしっかり株価に表れる前に、投資をやめてしまうことになります。


株価は「話題」ではなく「企業の価値」を映す

株価は本来、企業が生み出す経済的価値を反映するものです。

  • ネット上の一時的な話題
  • 根拠のあいまいな「今がチャンス!」情報
  • 手数料目的の頻繁な乗り換え提案

こうしたものに振り回されると、投資の本来のリターンを取り逃がしてしまいます。

短期の値動きは「ノイズ」と割り切り、
長期的な企業価値の成長を信じて保有を続けること。

これこそが、長期積立投資で最も大切なスキルです。


我慢力を身につけるための3つのコツ

最後に、実際に「我慢して続ける」ための簡単な工夫を挙げておきます。

  1. 自動積立にして、毎月の判断をなくす
    口座から自動で引き落とされる仕組みを作り、「買うか・やめるか」を毎月考えないようにします。
  2. 評価額を見すぎない
    アプリを何度も開くと、どうしても感情が揺さぶられます。
    「見るのは月1回まで」など、自分なりのルールを決めてしまいましょう。
  3. 自分が信頼できる方針・アドバイザーを持つ
    一貫した長期方針を共有してくれる専門家がいると、
    相場が荒れたときにも落ち着いて続けやすくなります。

2008年からコツコツ続けた人が、214万円を約993万円に育てられたのは、
特別な才能があったからではありません。

必要だったのは、「続ける」というシンプルで地味なスキル。

長期積立投資の世界では、
派手な情報収集や高度なテクニックよりも、
この「我慢力」こそが、あなたのいちばんの武器になるはずです。

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